1. 正直、商社に「思い入れ」はありません。でも「後悔」ならあります
最初に正直に書いておきます。私は総合商社という業種に、特別な憧れがあるわけではありません。
話は2020年のコロナショックまでさかのぼります。当時、商社株はどこもバーゲンセール状態でした。もともと「コングロマリットディスカウント(事業が多すぎて価値が見えにくく、割安に放置される現象)」で安かったところに、コロナが追い打ちをかけて、さらに下がっていたんです。大型株を配当利回りの高い順に並べると、上のほうに商社がずらりと並んでいたのを覚えています。
ただ、その頃の私はまだ駆け出しの投資家。「どの商社が一番いいか」なんて調べる発想もありませんでした。買える値段で、名前を聞いたことがある。ただそれだけの理由で、住友商事を100株だけ買いました。

えっ、それだけで選んだんですか?

お恥ずかしい話、それだけです。当時は1株投資にも興味がなくて、「100株まとめて買える手頃な株」という基準でした。今思えば、あのとき5大商社を全部買っておけば…という後悔は、正直あります
2. 5大商社とは?私が買った数ヶ月後、バフェットも買っていた
念のため基本だけ。5大商社とは、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の5社のこと。資源も食料も機械も金融も、あらゆる分野に投資して稼ぐ「総合」商社です。
おもしろいのは、私が住友商事を買った数ヶ月後の2020年8月、投資の神様ウォーレン・バフェットが5大商社の株を買っていた、というニュースが流れたことです。「自分が選んだ業種は、間違っていなかったのかも」と、ちょっとだけ誇らしくなったのを覚えています。
そのバークシャー・ハサウェイは、今では5社を軒並み約10%ずつ持っています(2026年3月時点)。
- 三井物産:10.4%/三菱商事:10.23%/伊藤忠:10.1%
- 丸紅:9.8%/住友商事:9.7%
新しいCEOのアベル氏も「商社株は長く持ち続ける」と明言しています。世界一の投資家が何十年というスパンで持つ会社を、私はたまたま手頃さだけで選んでいた、というわけです。
3.【実録】私の5大商社を全部公開します
では、今の私の保有を全部お見せします。見てほしいのは、右の2列「簿価利回り」と「現在利回り」です。
| 商社 | 保有 | 取得単価 | 現在株価 | 含み益 | 簿価利回り | 現在利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 住友商事 | 100株 | 1,330円 | 6,259円 | +492,935円 | 12.03% | 2.56% |
| 丸紅 | 27株 | 2,028円 | 4,899円 | +77,517円 | 5.67% | 2.35% |
| 三井物産 | 100株 | 2,699円 | 4,886円 | +218,700円 | 5.19% | 2.87% |
| 三菱商事 | 106株 | 2,535円 | 4,683円 | +227,688円 | 4.93% | 2.67% |
| 伊藤忠 | 100株 | 1,778円 | 1,877円 | +9,850円 | 2.47% | 2.34% |
| 合計 | – | – | – | +1,026,690円 | 約5.6% | 約2.6% |
※伊藤忠は2026年1月に1株→5株の分割をしているので、取得単価と株価は分割後の数字です。
5社あわせた含み益は+1,026,690円、年間配当は50,755円です。ちなみにこの数字は、保有株を登録するだけで配当を自動で計算してくれる無料アプリで管理しています(くわしくは配当管理アプリで分かった増配の話に書きました)。証券会社とID連携しなくていいので、気軽に使えるのが気に入っています。

住友商事だけ「簿価利回り12.03%」って、ずいぶん高いですね。どういう意味ですか?

これは「今の株価」じゃなくて「自分が買った値段」に対する利回りなんです。私は住友商事を1,330円で買ったので、今の160円の配当は、私にとっては実質12%。買った値段は、もう二度と変わりませんからね
4. 同じ商社でも、買った時期で利回りが5倍違う
さっきの表で、いちばん伝えたいのはここです。同じ5大商社なのに、簿価利回りは住友商事の12.03%から伊藤忠の2.47%まで、5倍くらい開きがあります。
会社の中身は同じ。配当方針も似ています。違うのは、私が「いつ買ったか」だけ。実は、
- 住友商事だけが、2020年のコロナショックで投げ売りされていたときの1株1,330円。当時の利回りは5%を超えていました
- 残りの4社(三菱・三井・伊藤忠・丸紅)は、つい最近の2025年に買ったばかり。だから簿価利回りは、まだ今の市場利回りとそれほど変わりません
正直に言うと、住友商事を買った翌年、コロナの影響で配当は少し減りました(80円→70円)。「やっぱり買うのが早すぎたかな」と落ち込んだ時期もあります。でも、そこから毎年のように増配して、今の160円です。あのとき売らなくて、本当によかった。
5年持った住友商事と、買ったばかりの4社。この簿価利回りの差は、そのまま「時間の差」です。地味な話ですが、これが配当株でいちばん大事なところだと思っています。簿価利回りの考え方は簿価利回り13%超の保有銘柄ベスト5にもくわしく書きました。
5. 5年越しのリベンジ。トランプショックで残り4社を買い集めた
なぜ住友商事だけ5年も前で、ほかの4社は最近なのか。ここには、私の小さな後悔の物語があります。
2020年にバフェットの商社買いを知って、「自分も住友商事以外も買い増したい」と思いました。でも当時は手元の資金がなく、買えませんでした。今思えば、ほかの株を売ってでも買っておくべきだったんです。
その後、商社株はどんどん値上がりしていきました。私は「もう一度コロナのような暴落が来たら、そのとき買おう」と待ち続けました。ところが暴落は来ない。株価は上がる一方で、私はただ指をくわえて見ているだけ。完全に出遅れました。
チャンスが来たのは、2025年4月のトランプ関税ショックでした。相場全体が下げる中、商社株はとくに大きく下がったんです。「今度こそ」と、まずは王道の三菱商事を買い、続いて三井物産。丸紅は資金が尽きて27株までしか買えず、伊藤忠は分割の調整もあって最終的に100株になりました。
このときは、5年前と違ってSBI証券の「S株」(1株から買える単元未満株)を使い、何回かに分けて少しずつ買いました。2020年に住友商事を買ったのは楽天証券でしたが、1株ずつ拾っていく今回はSBIのS株が便利だったんです。一度に大金を入れる勇気はなくても、1株ずつなら無理なく買い向かえる。駆け出しだった頃の自分とは、少しだけ成長できた瞬間でした。
📌 1株ずつ買うなら|SBI証券の「S株」
私が商社4社を、暴落した日に1株ずつ買い集めたのが、このSBI証券のS株(単元未満株)です。1株から買えるので、まとまった資金がなくても、下げた日に少しずつ買い向かえます。三井住友カードのクレカ積立でVポイントも貯まり、NISA口座も同時に申し込めます。
▶ SBI証券の口座を開設する(無料)※投資には元本割れ等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
6.「今から商社株は遅い」のか?
ここで、よく聞かれる問いに答えます。「商社株はもう高い、今から買っても利回り2.5%。遅いんじゃないの?」
正直に答えます。今から買えば、確かに利回りは2.5%くらいです。コロナショックのときのような5%超えは、もうありません。
でも、思い出してください。私が2025年のトランプショックで買った4社も、買ったときは「今さら商社かな」と思っていました。それでも1年ほどで、十分なリターンになっています。逆に、5年間「暴落を待つ」だけで動かなかった時期は、何も生みませんでした。
つまり、今あなたが「低いな」と感じる2.5%が、何年か後のあなたの簿価利回りになるかもしれない。結局、種をまけるのは今日しかないんですよね。
ちょうど住友商事は、2026年7月1日に1株→4株の株式分割をします(基準日は6月30日)。1株の値段が4分の1になって、これまでより少ない金額から買えるようになります。
ちなみに、1株から買えるサービスは、SBI証券なら「S株」、楽天証券なら「かぶミニ」という名前で用意されています。どちらでも、商社株を少額から始められます。私は住友商事を楽天証券、買い増しの4社をSBI証券、という楽天証券とSBI証券の使い分けをしていますが、これから始める方はどちらか1つで十分です。
ちなみに私自身、今も商社株は値下がり中なので、追加購入のタイミングをうかがっています。各社とも累進配当(減配せず維持か増配を続ける方針)を掲げていて業績も好調。現在の利回りが3%を超えてくるなら、これからも増配が続けば、私のもう一台の「配当マシーン」に育ってくれると思っているからです。

完璧なタイミングを待つより、今日から少しずつ、なんですね

そうです。私は5年も暴落を待って、出遅れた人間ですから。待ちすぎるより、無理のない金額で少しずつ。今は1株から買える時代ですし、NISAの成長投資枠なら配当も非課税ですから
★ 何年か後の“簿価利回り”を仕込むなら ★
投資のスタート地点は
「楽天証券」
家計管理パパが10年以上使い続けてきた楽天証券。NISA成長投資枠+株式数比例配分方式で配当が事実上非課税、楽天ポイントとも連動します。私が2020年に住友商事を買ったのが、この楽天証券です。長年メインで使ってきました。国内株の売買手数料は無料で、NISAの成長投資枠なら配当が事実上非課税になり、楽天ポイントもそのまま投資に回せます。「安いときに少しずつ」を続ける場所として、私は今もここを使っています。
※ 投資判断はご自身の責任で行ってください
7. 6月・12月の「二重ボーナス」が、家計にうれしい
最後に、商社株を持っていて、いちばんうれしい瞬間の話を。
5大商社は、5社とも配当が6月と12月に入ります。これが、家計をやりくりしている私には、ちょっとした事件で。会社の夏のボーナスと同じ月に、商社からの配当も入ってくるんです。
しかも商社は、増配を続けています。配当管理アプリで分かった増配の話にも書きましたが、私の持っている銘柄はこの1年で56銘柄が増配して、買い増ししていないのに年間配当が+66,034円増えました。商社もその主役です。私のアプリの記録だと、三井物産は115円→140円、三菱商事は110円→125円、住友商事は140円→160円と、持っているだけで配当が太っていきました。
2020年にまいた住友商事の種と、2025年にまいた4社の種。時期はバラバラですが、どちらも6月と12月に、家族で出かける旅費や子どものものの足しになってくれます。「あのとき動いてよかった」。そう思えるから、株価が下がった日でも、慌てずに持っていられます。
8. まとめ:必要だったのは、才能より「動いた回数」でした
長くなったので、最後に3つだけ。
- 5大商社を全部持つ私の含み益は+1,026,690円、簿価利回りは平均5.6%くらい(バフェットと同じ顔ぶれです)
- 同じ商社でも、2020年に買った住友商事は12%、2025年に買った伊藤忠は2.47%。「いつ買ったか」で5倍も変わります
- 今の「低い利回り」が、何年か後のあなたの簿価利回りになるかもしれません
振り返ると、私に必要だったのは、すごい分析力でも商社への情熱でもありませんでした。コロナショックで一歩踏み出した小さな勇気と、5年越しでもトランプショックでリベンジした行動、そして売らずに持ち続けた時間。それだけです。後悔した回数のぶん、次は動けるようになる。忙しいパパでも、それくらいはできると思っています。
何から始めればいいか迷ったら、高配当株投資ロードマップ【4ステップ】に4ステップでまとめています。私の配当の実績は受取配当ベスト5(実績全公開)、ポートフォリオ全体のセクター配分は日本株セクター分散の黄金比もどうぞ。
