先日、妻と1歳10ヶ月の子どもと3人で、阿蘇に旅行に行ってきました。今年5回目の家族旅行です。
うちの家族旅行は、高配当株からの配当を原資にしています。株そのものは売らずに、配当だけで思い出を買う。私が勝手に「配当旅行」と呼んでいるやり方です。
今回は、いつもより安く済ませました。結果から言うと、旅行そのものはとても楽しかったです。でも、宿でだけ、自分のテンションが上がらなかった。
その理由を考えていたら、6年やってきた自分の旅行の考え方に、けっこう大きな穴があることに気づきました。今日はその話を書きます。
今年5回目の家族旅行は、家族3人・朝夕食つきで実質15,000円でした
まず、今回かかったお金を先に全部出しておきます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初日のランチ(あそ路) | 約3,500円 |
| 阿蘇ファームランド 幼児チャレンジ館 | 約3,500円(親子3人) |
| 宿泊(1泊2食つき・家族3人・ポイントバック込みの実質) | 15,000円 |
| 合計(交通費別) | 約22,000円 |
お昼は、高菜飯で有名な「あそ路」さんへ。夫婦そろって定食を頼んでしまい、正直、食べすぎました。子ども用に追加したおでんと合わせて3,500円くらい。おいしかったんですが、店を出たあとに二人で「頼みすぎたね」と反省しました。
そのあとは阿蘇ファームランドへ。子がまだ1歳10ヶ月なので、遊べるのは「幼児チャレンジ館」だけです。ほかのエリアはまだ早い。でも、それで十分でした。狭い範囲をひたすら行ったり来たりして、ずっと笑っていました。親としては、これだけで元は取れています。
宿は、阿蘇にある和室のある宿にしました。選んだ理由はふたつです。ひとつは、動き回る子どもにはベッドより和室のほうが安心だから。もうひとつは、今年もう5回目なので、今回はリーズナブルに行きたかったから。
楽天トラベルのポイントバックまで含めると、家族3人・朝夕食つきで実質15,000円。この数字だけ見れば、文句のつけようがありません。
なお「ポイント込みの実質いくら」という考え方については、楽天トラベルの3年分の履歴を全部さかのぼって計算した記事があります。クーポンの割引額をそのまま節約額だと思っていると、だいたい間違えます。
旅行は楽しかった。なのに、宿でだけテンションが上がらなかった

えっ、家族3人で2食つき15,000円なら大成功じゃないですか? 何が不満だったんですか?

予約したときは、私もそう思っていたんですよ。数字としては完璧でした。問題は、着いてからの自分の気持ちのほうでした。
旅行そのものは、本当に良かったんです。あそ路のごはんも、ファームランドではしゃぐ子も、全部よかった。
でも、宿に入ってから、自分の中で何かが動きませんでした。
いつもの私は、部屋に入った瞬間に「おー」となる人間です。窓から何が見えるか確認して、大浴場の場所を調べて、夕食まで何をしようかと考えて、館内のラウンジやリフレッシュルームを一周してみる。売店で地元のお菓子を眺める。そういう時間が、けっこう好きなんです。
正直に言うと、旅行の楽しみの半分くらいは、そこにあると思っていました。
今回、それがなかった。荷物を置いて、風呂に入って、ごはんを食べて、寝た。それだけでした。
念のため書いておくと、宿に落ち度があったわけではありません。部屋は清潔でしたし、スタッフの方の対応はとても丁寧で、気持ちのいい接客でした。食事も、この値段を考えれば十分な内容です。
妻も「和室だから子どもが過ごしやすかったし、特に不満はない」と言っていました。実際そのとおりだと思います。
つまり、上がらなかったのは宿ではなく、私のほうだったということです。困っていたのは、家族で私ひとりでした。
『DIE WITH ZERO』を6年実践して、初めてぶつかった壁
うちの家族旅行の考え方は、『DIE WITH ZERO』という本がベースになっています。
お金は墓場まで持っていけない。だから、体力があって記憶に残せるうちに使ったほうがいい。そして経験にお金を使うと、そのあと何度も思い出せる「思い出の配当(memory dividend)」が返ってくる。ざっくり言うと、そういう本です。
この本に出会ってから、私は「配当で思い出を買う」という方針でやってきました。なぜそこまで振り切ったのかは、こちらに書いています。
→ 『Die With Zero』が変えた47歳パパの生き方|思い出にも複利は効く
配当は、いま予想で年間70万円
原資になっている配当のほうも、数字を出しておきます。
保有している高配当株からの予想配当は、年間700,684円(2026年8月25日時点・税引き前・投資信託を除く)。取得額1,336万円に対して、利回りは5.24%です。この中から、家族旅行の費用を出しています。
6年かけてここまで積み上げた手順は、こちらにまとめてあります。
この本が教えてくれないこと
6年やってきて、この方針でいいんだと思っていました。今回までは。
今回ぶつかったのは、『DIE WITH ZERO』が教えてくれない部分でした。
この本は「経験にお金を使え」とは言います。でも、何に、どういう配分で使うかまでは言いません。当然です。それは人によって違うので。
たとえば同じ10万円でも、「安めの旅行を5回」に割るのか、「いい旅行を3回」に割るのかで、中身はまったく変わります。どちらが正解かは本には書いていない。自分で決めるしかないんです。
で、私はそこを「回数が多いほうが思い出も多いだろう」という、なんとなくの感覚で決めていました。今回わかったのは、その前提が自分には合っていなかった、ということです。
原因は宿じゃなくて、私の基準のほうが変わっていた
落ち着いて考えたら、当たり前の話でした。
今年、私が泊まった宿を並べてみます。
- 杉乃井ホテル(別府)
- フェニックス・シーガイア(宮崎)
- ホテルオークラ
- リゾナーレ
- 今回の阿蘇の宿
上の4軒に泊まったあとで、5軒目に行ったわけです。そりゃあ基準は動きます。ホテルインフレ、とでも言えばいいんでしょうか。自分では自覚がありませんでした。
もっと前から、変わっていた
しかも、変わっていたのは今年だけの話ではありませんでした。
独身のころの私は、宿にお金をかけない人間でした。どうせ寝るだけだから安ければいい。食事もつけなくていい。浮いたぶんを別のことに使いたい。本気でそう思っていましたし、それで十分に満足していました。
それが、結婚して、子どもが生まれて、変わりました。
子連れだと、そもそも外で動ける時間が短いんです。1歳の子を連れて朝から晩まで観光、なんてできません。昼寝もあるし、ぐずる時間もある。結果として、旅行時間の大半が宿の中で起きるようになりました。
部屋で遊んで、風呂に入れて、ごはんを食べて、寝かしつける。気づけば、旅行の中身のほとんどが「宿での時間」になっていた。
だったら、宿の質がそのまま旅行の満足度になるのは当然です。
なのに私の予算の決め方だけが、独身時代のまま止まっていた。「宿はなるべく安いところを探す」という昔のクセだけが、そのまま残っていたわけです。

……それ、単にぜいたく病になっただけなんじゃないですか?

私も最初そう思って、けっこう落ち込みました。でも違ったんです。ぜいたくがしたいんじゃなくて、旅行の中身が昔と別物に変わっていたのに、お金の配り方だけ昔のままだった、という話でした。
たびざんで数えなおしたら、残高が52回から51回になっていた
ここで、自分で作ったツールの話をさせてください。
8月に「たびざん」という計算機をブログに置きました。子どもの年齢と、年に何回旅行に行くかを入れると、中学入学までにあと何回いっしょに旅行に行けるかが出るだけの、単純なものです。
→ あと何回、いっしょに旅行に行ける?|旅行残高計算機「たびざん」
作ったとき、うちの数字を入れました。子が1歳8ヶ月、年5回ペース。
出た答えが、52回でした。
作りながら、自分でびっくりしました。残り52回。人生で、あと52回しかない。
そして今回の旅行のあと、同じツールにもう一度入れてみました。子は1歳10ヶ月になっています。
51回。
2ヶ月で、1回減っていました。当たり前です。今回の阿蘇が、その1回だったので。
「51」を見て、ようやく腑に落ちた
この数字を見て、自分がモヤッとした理由がやっとわかりました。
ぜいたく病だからじゃない。残り51回しかないうちの1回を、自分が満足しない形で使ってしまったからです。
もし残りが500回あるなら、安い回があっても気になりません。ならして考えればいいので。でも51回だと、1回の重みがぜんぜん違う。
たびざんを作ったとき、私は「残り回数を数えるツール」を作ったつもりでいました。でも今回わかったのは、回数のほかに「1回あたりの質」という残高もあるということです。そして、そのふたつはトレードオフになります。
回数を取るか、1回の満足を取るか。来年の配当旅行はここを決める
じゃあどうするか。選べる道は、たぶん3つしかありません。
- 回数を減らして、1回あたりの予算を上げる(年5回を4回にして、浮いたぶんを上乗せする)
- 回数はそのままで、1回だけ振り切る(5回のうち1回を「本気の回」にする)
- 配当を増やして、両方取る(時間はかかる)
私が選ぶのは、2番です。
理由はふたつあります。
ひとつめ。年5回を4回に減らすのが、単純に惜しいからです。子と旅行に行ける回数そのものが有限だと、たびざんで突きつけられたばかりです。いま減らす方向の判断はしたくない。
ふたつめ。今年のうちに試したいからです。今年は高めの宿4回と安い宿1回を経験して、自分の満足の下限が測れました。この比較ができるのは記憶が新しいうちだけです。来年に持ち越すと、何がどう違ったのか思い出せなくなります。
もちろん3番も並行してやります。というか、それが配当パパの本業です。配当が増えれば、この悩み自体が消えるので。

で、結局いくらかければいいんですか? 目安が知りたいです。

それが、金額じゃないんですよ。回数と質の配分の話です。うちは年5回という回数を先に固定して、そのうち1回だけ予算を厚くする。この形で来年やってみます。答えが出たら、また数字つきで書きます。
★ 残り51回をどう使うか ★
「振り切る1回」の宿は
楽天トラベルで探しています
今年泊まった5軒は、すべて楽天トラベル経由の予約です。ポイントバックのぶんだけ実質の宿泊費が下がるので、同じ予算でも上のランクに手が届きます。今回の阿蘇も、ポイント込みで家族3人・2食つき実質15,000円でした。
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まとめ|安く行けたのは正解。でも満足しなかったことも、ちゃんとした結果でした
今回わかったことを、まとめておきます。
- 今年5回目の家族旅行(阿蘇)は、家族3人・朝夕食つきで実質15,000円。旅費は全部で約22,000円(交通費別)
- 旅行そのものは楽しかったが、宿でだけテンションが上がらなかった
- 原因は宿ではなく、子連れになって「宿で過ごす時間」が旅行の中心に変わっていたのに、予算の決め方が独身時代のままだったこと
- たびざんで数えると、子といっしょに旅行に行けるのは残り51回。1回の重みが、昔とは違う
- 来年は「5回のうち1回だけ振り切る」を試してみる
正直に書くと、この記事を出すかどうかは少し迷いました。「安い宿で満足できなかった」なんて、あまりいい話ではないので。
でも、これはケチったことの失敗談ではないと思っています。実質15,000円で家族3人が2食つきで泊まれたのは、純粋にいい買い物でした。ポイントもしっかり効きましたし、妻も子も楽しそうでした。
だめだったのは買い物のほうではなくて、自分が何に満足するのかを知らないまま予算を決めていたことです。それが今回わかった。わかったなら、次から直せます。
『DIE WITH ZERO』は「お金を使え」と教えてくれる本ですが、「あなたが何に満足するか」までは教えてくれません。そこは、実際に使ってみて、自分で見つけるしかないんだと思います。
安い回をやってみて、初めて自分の基準がわかった。そう考えると、今回の15,000円はけっこう安い授業料でした。
お金も、時間も、残り回数も有限です。だからこそ、使い方は大事にしたいと思っています。

